Sakura Gradient – Description

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白を基調とした「グラデーションの心象」風景

■ 附記



同時公開の『白球を追って』がクラシックな男子サイドだとすると、こちらは女子の世界観。しかしこの附記ではロマンチックなことは一切書いていないので、イメージを崩したくない人は今すぐ戻るボタンを押そう。


Bing AIの提案に乗って桜の名所、夙川周辺へ行ってみた。はじめは甲子園だけでいいかと思っていたのだが、それだけでは花見の風景とは言い難い。それに甲子園の原典について思いを馳せた結果(詳しくは『白球を追って』附記にて)、今度は河川敷という環境に興味をそそられたからである。

さてこのサイドプロジェクトにあらためて言及すると、毎年花見の景色を撮ってその時の空気感=「現代」を撮るというものだ。だからこれらを”Graphic”にカテゴライズするのはどうか?疑問がわく。それこそ”Photographic”じゃないかと思うし、写真はやはり現実を写すことが必要だと思う。


僕がこんな事をいうのも、実は”Graphic”としての写真は10年も前から需要が無くなってきていたからである。

10年前といえばデジタルフォトが隆盛した頃のことなのだが、なにがおきたかというと、写真の素材化だ。写真を分割/修正できる素材とし、そこからイメージを構成することが最重要になった。さらにCGが発展し、映像に完璧を求めるプロの現場からは撮影そのものの必要性がなくなっていった。

モデル撮影は贅沢品になり、映画撮影はグリーンバックの前で演技することになり、風景写真を加工してみせる”インスタ映え”すら下火になっていないだろうか?「平均的価値観」が大きく変化しているのだ。だからこの流れはずっとあったのだが、2023年に入ってからはなんと画像生成AIが写真と見間違う画像を生成するようになった。

するとやはり”Graphic”としての写真撮影は、ついにその役割を終えたと言えないだろうか?

ということで、”Graphic”に”Photographic”が侵入してくるのも無理からぬ事情があるというわけだ。言うなればこの状態は、投打の二刀流オオタニサンである。


しかし二刀流なんて、そんな都合のいいことができるわけがない。そう僕も思っていた。理論的にも前回の『疾走するアルゴリズム』附記で述べたとおり、「可能性空間の限定」をした方がより高度な仕事ができるはずだといえる。

だがそれにも関わらず、オオタニサンは引き続き活躍しているのだという。この特異な現象の背景たる理屈を考えてみたのだが、これはいわゆる例の「重ね合わせ」状態なのではないだろうか?違う種類のようにみえる状態が同時に一体となっているのだ。それであれば「可能性空間の限定」にも対応可能。これが我々ヒト族にとって今後の指針なのである…。

そんな空想仮説も面白い。まったく言うは易く行うは難しもいいところなのだが。


ちなみに夙川は六甲山からわずか6.7kmで大阪湾にそそぐという。中央に山脈が連なる島国日本では河川が短く急流になり、両岸には水害を防ぐための堤防が必要になり、河口には扇状地が広がる傾向にある。

するとそこに住む人々は河川の両岸に桜を植え、河口周辺に出現した空き地で野球をしだすのかも知れない。なんて現実を付け加えてみたりして。

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■ 識別情報


SeriesSakura Gradient
Photographer九条いつき
Captured Date2023.03.29, 2023.04.02
Location夙川周辺
TitlesSakura Gradient_01-20
Reproduction Limit1
ID Historysakuragradient,
Notice譲渡対象は画面内に人が入っていないものに限る

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