「2つの社会」を表現した写真作品
■ 附記

人種も宗教も文化もコトによると言葉も異なる人達が一緒に暮らす社会と、誰もが一様のバックグラウンドを持ちおそらく右向け右の社会、どちらに住みたいと思うだろうか?これはある意味、根源的な問いかけである。
それは移民の多い国や少数民族が多数所属する国と、いわゆる民族国家の違いのようでもあり、あるいはただ都会のネズミと田舎のネズミの生活の違いのようでもある。
まあ前回の桜との繋がりからいえば、やはり自由とダイバーシティに優れた前者が優勢か?…と思いきや、この2つの動物園を見ていると事はそれほど簡単ではないと気づく。

「モンキーセンター」の方は、なにしろ全く違う種類のサルが比較的狭い土地に暮らすことになるため、どうしても檻に閉じ込めて画一的に管理する体制になる。飼育員同士もきっと情報共有がしづらく、それぞれバラバラに対応する他なくなるのではないだろうか?上からの倫理の押し付けがキツそうである。
それに対して「モンキーパーク」は職員の目が届くため、行動制限をさせなくても元から事故がおこりづらい。その代わりサル同士で喧嘩ばかりしていて、餌は十全に貰っているはずなのに顔つきは一癖も二癖もある。突発的に他国を侵略してしまうのかも知れない。
つまり、どちらが優れているといいたい訳ではない。

という事で、今回はどちらのサル達もなるべく証明写真風に切り取るよう努力した。同一のレンズ、共通のカメラ設定である。しかし飼育環境や種の違いから、どうしてもそこから外れる。それが上記を反映していると思う。
そこに加えて遊びの要素として、左右のグループで対決する風に演出してみた。『12モンキーズ』といいながら、さながら『オーシャンズ12』のようである。モンキーパークのセクシーすぎる紅一点は、ジュリア・ロバーツ役なのかも知れない。
ウイルス拡散をテーマにしていなければ、『12モンキーズ』は本来こういうオシャレ映画だったのではなかろうかと夢想してしまった。
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■ 識別情報
Series | 猿山には2通りある。 |
Photographer | 九条いつき |
Captured Date | 2022.5.7-8 |
Location | 犬山&嵐山周辺 |
Titles | saruyama_01-12 (左右別) |
Reproduction Limit | 3 |
ID History | saruyama, |
Notice | 譲渡時要許認可 |
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