上空から見ると、冬季の日本は意外にも雪山の国である。

次は魔王殿という予告をしていたのだが、箱を開けたら蔵王山。とはいえ、ここは雪の化け物が跳梁跋扈していることで有名なのでだいたい正解なのだ。この「スノーモンスター」とは樹氷のこと。ところが蔵王のソレはキラキラ輝く通常の樹氷とはうって変わって、まさに個性豊かな化け物達といって差し支えない。日本海から流れ込む湿った寒気が、山頂付近のアオモリトドマツにダイレクトアタックした結果である。

それがなぜかファイナルファンタジー風になってしまったのは、前回がドラゴンクエスト風だったからかも知れない。しかし見方によれば、電子顕微鏡で覗いたウイルスの世界にも、巨人の化物に蹂躙される世界にも見え、そんな所が現実を反映しているのかとも思えてくる。

桧原湖を思い起こせば、２年前は温暖化の影響が目に見えていた。2022年は、断層していたという横倉の壁も復活する大雪に見舞われている。新型コロナの影響でヒトの活動が緩慢になったことと無関係かは不明である。