「平らな時代」を表現した写真作品
■ 附記

アイデアの元になったのはもちろんアニメ作品『けものフレンズ2』騒動である。原典から監督、ストーリー、キャラクターetc. を変更し、いわばテセウスの船と化した複製品、『続編』が軟着陸をするにはあまりに人気の波が高すぎた。
ここではそのアニメ作品の舞台モデルとされる阿蘇(九州)を被写体に選んでいる。それは”時代を切り取る”にはややマニアックで抽象的というきらいがあるが、こういったバーチャルな文化が耳目を集めている、その時代を表現している。という点がまず一つ。

ここにもう一つ付け加えたいのが、阿蘇(九州)についてだ。
中央で暮らしていると忘れがちだが、実は2016年に震災被害を受け、2019年現在未だ完全な復興とは言えない被災地である。そして人口が減少する中、被災した地方はそのまま消滅していく危機にあるという現実がある。アニメの舞台化は希望の一つだったに違いない。それが何かよく分からない中央の事情で泡のように消えてしまった、件の騒動はそういう側面があるといえるのではないだろうか?

この「手の届かないところでなにかが決定してしまう」という喪失感、これを「時代の空気」として描写し、また時代の移り変わりに淡い希望を抱くという形にしている。しかしそれは全くのゼロからの始まりに違いない。
ちなみにタイトルはこれもアニメ作品の『Re: ゼロから始める異世界生活』からとっている。10年後にはこのゼロからの異世界を待ち望むような流行の空気もまた懐かしく感じるに違いないのだ。
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■ 識別情報
Series | ゼロから始める |
Photographer | 九条いつき |
Captured Date | 2019.4.25 |
Location | 阿蘇周辺 |
Titles | ゼロから始める_01−06 |
Reproduction Limit | 3 |
ID History | zerokarahajimeru, |
Notice |
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