武士道 – Description

武士道 – Description

「オリジナルの性能の違いが、戦力の決定的差ではない」を表現した写真作品

■ 附記



いつものオタクな話題かと思いきや、今回はアニメといっても国民的大ヒットを記録している方のアニメ『鬼滅の刃』が元ネタである。

「密を避けよう」といっているかわいそうな都知事を無視して映画館に大集合する人達、というような見方がでる程の大フィーバーぶりだ。当然、なぜそうなっているのか?疑問がおきる。

コロナ禍で皆娯楽に飢えている、通常では組めない映画館の上映スケジュールが組めるなどの指摘がされている。個人的に付け加えたいのは、その重層的な(原典-複製)構造だ。


まず、アニメの描写が原作漫画のそれを遥かに超えていた。特に最終回近辺の盛り上がりは別次元で、アニメは初見という人もひと目で魅了されるクオリティだと思う。ヒーローはアニメ制作会社で間違いないのだ。

次に原作に目を移すと、今度は主人公の複製でしかないというキャラクター造形に目を惹かれる。武士でも剣士でもない人間が家族のため刀をとって修行して戦う、しかも最後まで”本物”の武士に比べて特段の強い力を手に入れる訳でもない。だがだからこそ、そこに魅力が生まれる。

では、その更に元となっているであろう「武士道」はどうだろうか?


柳生の里に赴き、一刀石を見た人はその雑な設定に裏切られた思いを抱くに違いない。人が刀でこのように岩を切れるわけがないからである。石工職人のちょっとした悪戯に違いないのだ。周辺の田畑からみても、何百人も剣士を食べさせる程の規模ではなさそうに感じる。

すると果たして「剣聖柳生」自体ありえた話なのか?そのような(原典-複製)構造に思いを馳せざるを得ないのだ。

そうして改めて今般のコロナ禍への対処を思い出してもらいたい。全くの素人が、見様見真似で対策を行い、家族のため鬼を倒そうと躍起になっているのである。

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■ 識別情報


Series武士道
Photographer九条いつき
Captured Date2020.11.18
Location柳生周辺
Titles武士道_01-06
Reproduction Limit2
ID Historybushidou,
Notice

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