可能性と恣意的表現を表現した写真作品
■ 附記

このページは未成年は閲覧禁止!ここからは大人の時間なのだ。
というのも、この作品を説明するのに想像力を自由に巡らせるとか、港湾の鉄屑こそが都市を造っているという暗喩とかだけではだいぶん不足しているからである。なにしろ元ネタは『遺伝的アルゴリズムで最高にエッチな画像を作ろう!』なのだから。
軽く説明をしておくと、件の元ネタとは、ランダムなモザイク画像から「2択でエッチに感じられる画像の方を我々が選択し続けることで、よりエッチな画像を生成する試み」である。

この試みは暇なネット民たちが面白がって幾世代にも渡って選択し続けた結果、画像に偏りが生じ、女性の裸に見えるまでになったためGoogle AdSenseを制限されるという大金星をあげた。
「選択的な決定」が原子、そして生物の生成にあたり重要な要因たるだろうという予想をしている僕としては注目せざるをえない実験だ。
ところが話はここで終わらない。そこへ、大人気になった裸のアルゴリズムちゃんをハックして自らが用意したエッチ画像に上書きしようとする人間が現れたのである。強力な意志に介入されたアルゴリズムちゃんは上書きされた後、元のモザイク泡へ還っていったという。

色々と示唆に富んでいる話なのだが、実験の形式から考えて、もしかすると元ネタ氏は「選択的な決定」を現在時点に限定して考え過ぎているかも知れない。「選択的な決定」の次元は我々の時間流のある次元とは異なり、未来の決定が過去に行われてしまっていたり、過去の決定が未来から歪められたりすることがあり得るのではないだろうか。
生成されるのはエッチ画像である、と実験を初める前に決定していることが実はすでに未来の時点の「選択的な決定」であり、それが介入を呼び込む未来を決定する。あるいは過去のモザイク模様が未来時点になった時、それが基底の状態であると判断される。またまたあるいは、そんな現在時点でのせめぎ合いこそが量子跳躍や突然変異の原因なのかもしれない。
そしてそんな混乱は人為的アルゴリズムも同様だろうと思うのだ。昨今は過去の決定に大いに悩まされていると感じる。なんにせよ、元ネタ氏にはこれに懲りず、また別のおもしろ実験を企画してもらいたいと思う。
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■ 識別情報
Series | 人為的アルゴリズムで最高に街な画像を作ろう! |
Photographer | 九条いつき |
Captured Date | 2021.6.15 |
Location | IKEA鶴浜周辺 |
Titles | matchbox_colour_01- |
Reproduction Limit | ? |
ID History | matchbox_colour, |
Notice | 街画像が完成するまで世代更新 |
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