人為的アルゴリズムで最高に街な画像を作ろう!


■ スクラップ&ビルド

 

人為的だったらなんでもできるし簡単でズルじゃね?

という不穏な空気から始まったこちらの作品。それでも街画像を作るのは一筋縄ではいかない、という使いみち謎の知見を得ました。

 

アイデアは前回に引き続き、真四角写真を組み合わせるという単純な物なんですが、今回はそれらを大量に用意し、透過させ、組み合わせ、まったく別のイメージを作り上げるように進化(?)しています。

素材の撮影地はIKEAの周辺、要するにDIYのイメージです。ニトリや無印良品じゃない理由のひとつは、大阪のIKEAは少し郊外となる港湾地区にありまして、周辺にはスクラップ工場などが並んでいておあつらえ向きじゃないか、ということがあったんですよね。

というのも、現代アート界隈ではスクラップを集めて立体作品を組み上げる手法に手垢がついている。それの写真版をやろうと。そんなわけなんですよ。

 

ちなみに写真をパズルのように使って画像を浮かび上がらせるといえば、ジム・キャリーの映画『トゥルーマン・ショー』の宣材で有名な「フォトモザイク」という手法がありますよね?

ただその手法は予め決まった画像があって、それに沿うように素材を配置しているはずです。対してこちらは「街画像」という大まかな目標はあるものの、特に決まった画像が用意されているわけじゃありません。完成画像も大阪とかTOKYO2020とかどこか特定の街ではなく、想像の産物です。

 

だから世界中のどこの都市でもありうる。

 

逆に、世界中どこの都市であっても、住人がその街をどのように造るかというのは本来その住人の想像力に委ねられているはずだと僕は思っています。

デジャブな街ではなく、シンガポールのように船が宙に浮いていたり、イーロン・マスクのようにチューブが這っている街を想像することができるかも知れません。

この作品がそんな自由な想像のキッカケとなれば幸いです。

 

 

 

 

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