MONUMENT


■ 全ては流れ去っていく、けれど ———

 

風景写真を撮る、特にメテオロスケープを撮るというのは、ある意味で趣味を優先した娯楽です。
なので、時に“不謹慎”な存在かもしれません。

ただ個人的にこの問題に対して思っているのは、成果の中から醜悪さを閉め出さないようにしたらいいのではないか?ということ。

(フォトグラファーというのは、非人道的な戦場ですら美しさを求めて撮影するものだけれども)

 

そんな折に起きた、東日本大震災。

 

その衝撃は大きく、風景写真を撮ってなお真摯であるためには、もはや美しい波の写真だけ撮ってみせているというわけにはいかなくなってしまった。そう思ったわけです。

そこで復興のひと段落したであろうおよそ1年後、“初日の出”を狙って仙台に向かいました。

 

轟音に思えた波の音が静寂を破る深夜、全てがなぎ倒されていた海岸沿いの道をひとり歩いてたどり着いた写真。

祈念碑のような作品です。

 

 

 

 

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