「空をも掻いて進む」を表現した写真作品
■ 附記
「iPhoneで撮影」はご存知アップル社の宣伝文句なのだが、iPhoneでしか撮れないという側面と、iPhoneを購入した人であれば誰でも撮れるという側面がある。もちろんそうでなければ広告として成立しない。商品の未購入者との差別化と購入者利得の平等性。それがなければ誰がその商品を購入するだろうか?
これに限らず、広告とはそういうものだ。
だがこの資本主義社会の輝かしい倫理のなかにこそ、自我の確立を妨げる空虚がある。誰でもできる、大量にあるという状態から「個性」は成り立たないのだから。
そしてそれは飛行機雲の写真も同じだ。それをどれだけフォトショップでいじってみても、そこに「個性」は生じないし見る価値もないかもしれない。複製がいくらでもできるのだ。
しかし考えてみれば、我々の生活のいったいどれ程がこの「複製可能性」から逸脱しているといえるだろうか?あらゆる物が購入できるかもしれない、この資本主義社会において。
そしてこの「複製可能性」の満ちた世界であえて「個性」を創作していく、それがこのプロジェクトの狙いであり、この作品がセルフオマージュである所以なのである。
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■ 識別情報
Series | 航跡 |
Photographer | 九条いつき |
Captured Date | 2018.11.11 |
Location | 伊丹周辺 |
Titles | 航跡_01-03 |
Reproduction Limit | 5 |
ID History | kouseki, |
Notice |
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